2階の軒下なら手が届きにくく、家の周囲も広く見渡せる。
防犯カメラを付けるなら、高いほど良さそうに思えます。
ただ、
「長いはしごがあれば自分でも付けられる?」
「カメラ1台だけなのに業者を呼ぶのはもったいない?」
「何mくらいからDIYをやめた方がいい?」
と迷うでしょう。
結論からいうと、2階の軒下に付けるなら、まず「DIYできる高さか」を考える前に、本当にその高さへ付ける必要があるかを確認した方がよいです。
家庭向け防犯カメラでは、メーカーが地上2〜3m程度を推奨している製品が少なくありません。
高く付ければ広範囲は見えます。
一方で、人を上から見下ろす角度が強くなり、顔が確認しにくくなったり、動体検知の想定範囲から外れたりすることがあります。
つまり、
広い範囲を見たいから2階へ付ける
のと、
玄関へ来た人や車へ近づいた人の顔を残したい
のでは、適切な高さが違います。
この記事では、2階軒下へDIYで取り付ける方法を説明するのではなく、1階の軒下へ下げる・DIYする・高所施工を業者へ頼む境界を整理します。
結論|2階軒下だから業者、ではなく「2階に付ける理由」があるかを先に確認する
大きく分けると、次のように考えられます。
| 状況 | 考えやすい方法 |
|---|---|
| 玄関の人物の顔を確認したい | 2〜3m前後の位置を先に検討 |
| 駐車場へ近づく人物を確認したい | 1階軒下・カーポート柱も比較 |
| 建物周囲を広く見渡したい | 高い位置も候補 |
| カメラへのいたずらを避けたい | 手の届かない高さを確保 |
| 安定した作業床から無理なく固定できる | DIY候補 |
| 長いはしご上で両手を使う必要がある | 業者を推奨 |
| 外壁への穴あけ・防水処理も必要 | 業者を検討 |
| 新しい100V電源配線が必要 | 有資格者による電気工事が必要 |
| バッテリー交換・充電を繰り返す機種 | 高所設置を再検討 |
| 高所作業車や足場が必要 | 業者 |
ポイントは、
「2階なら業者」と高さだけで線を引かないこと
です。
そもそも1階軒下へ下げた方が、防犯映像として良くなることがあります。
家庭用防犯カメラは「2階軒下」が標準の高さではない
高いところへ設置した方が、広く映って安全そうに見えます。
しかし、家庭用カメラのメーカーは必ずしも2階相当の高さを推奨していません。
TP-LinkはTapoのバッテリーカメラについて、地上約2.1〜3mへの設置を推奨しています。
C425などでは2〜3m程度、下向き10〜15度が推奨例です。
Eufyも屋外カメラについて、動体検知を適切に行うため2〜3m程度を推奨している製品があります。
ALSOKも戸建て防犯カメラでは、手が届きにくく、顔も確認しやすい高さとして約2.5mを一つの目安としています。
つまり、
高ければ高いほど性能が上がるわけではありません。
2階軒下へ設置する前に、購入する機種の「推奨設置高さ」を確認します。
2階へ付けると「広く映る」と「よく分かる」は両立しないことがある
たとえば玄関を2階軒下から撮影するとします。
画角には、
玄関
アプローチ
道路
庭
まで広く入るかもしれません。
しかし、玄関へ近づく人をかなり上から撮ることになります。
帽子や傘を使っていれば、顔がさらに見えにくくなる可能性があります。
駐車場でも同じです。
2階からなら、
車全体
駐車場全体
道路
は確認しやすいでしょう。
一方、
車の横へ近づいた人物の顔
ドア付近で何をしているか
まで見たいなら、もう少し低い位置から撮影した方が有利になることがあります。
防犯カメラでは、
全体を把握する映像
と、
人物を確認する映像
は別です。
「広く撮りたいから2階」という判断だけで設置位置を決めない方がよいでしょう。
2階から1階軒下へ下げるだけで、DIYできる場合がある
本当は2階軒下へ付けようと思っていた。
しかし確認すると、1階の軒下にもカメラを付けられそう。
この場合は一度、1階側で画角を試してみます。
最近のWi-Fiカメラやバッテリーカメラなら、本固定する前にスマホでライブ映像を確認できます。
仮に、
2階軒下
→ 駐車場全体は見えるが人物が小さい
1階軒下
→ 車も映り、人物も大きく映る
なら、1階側の方が目的に合っています。
しかも高さを下げることで、
取り付け
角度調整
レンズ清掃
microSDカード確認
バッテリー充電
故障時の交換
も楽になります。
設置高さを下げることは、DIYを安全にするためだけではなく、その後の運用まで簡単にします。
DIYと業者を分ける本当の境界は「はしごに上れるか」ではない
高所DIYで、
「はしごには慣れているから大丈夫」
と思う人もいるでしょう。
しかし、防犯カメラの設置では、単に上まで昇って降りるだけではありません。
高い位置で、
カメラを持つ
取り付けプレートを当てる
印を付ける
ドリルを使う
ネジを締める
カメラを取り付ける
角度を調整する
ケーブルを固定する
といった作業を行います。
つまり、高所で両手を使う時間が長いのが問題です。
はしごに上って電球を交換する作業とは同じではありません。
判断したいのは、
その高さへ上れるか
ではなく、
その位置で姿勢を崩さず、両手を使った取り付け作業ができる環境か
です。
「足元2m」はDIYの法的禁止ラインではないが、安全上は軽く見ない
厚生労働省のはしご・脚立事故防止資料では、事業者が労働者へ作業させる場合、足元の高さが2m以上となる高所作業では原則として十分な作業床や墜落防止措置を備えた設備を使うことが示されています。
また、はしごは原則として昇降に使用し、作業にはより安全な作業台・足場・高所作業車などへの変更を検討するよう案内しています。
これは労働者を使用する事業者に対する労働安全衛生上のルールであり、自宅のカメラを所有者本人がDIYする行為に、そのまま同じ義務が課されるという意味ではありません。
ただ、安全性を考える材料にはなります。
プロの作業でも、足元が2m以上になる作業を「普通の脚立で簡単に行うもの」と扱っていないということです。
2階軒下へ長いはしごを立て、その上でドリルや工具を使うのであれば、「DIYだから安全基準を下げてよい」とは考えない方がよいでしょう。
2階軒下へ付けるなら、設置より「次に上る日」を考える
カメラは一度付ければ終わり、とは限りません。
たとえば、
映像を見たら角度が悪かった
Wi-Fiが弱かった
レンズが汚れた
microSDカードを交換したい
本体がフリーズした
バッテリーを充電したい
ソーラーパネルの向きを変えたい
ということがあります。
もし2階軒下へ付けた場合、そのたびに同じ高さへアクセスする必要があります。
ここがDIY判断ではかなり重要です。
取り付けを一度成功できるか
ではなく、
今後も自分で安全にアクセスできる位置か
で考えます。
特に、取り外してUSB充電するタイプのバッテリーカメラを2階軒下へ付けるなら注意が必要です。
数か月ごとに長いはしごを出す運用になるなら、設置位置またはカメラ方式を変えた方がよい場合があります。
ソーラーカメラでも「二度と上らなくていい」とは限らない
バッテリー交換が嫌なら、ソーラーカメラを2階軒下へ付ければよい。
そう考えることもできます。
ただし、ソーラー式でも完全メンテナンスフリーではありません。
パネルの汚れ
落ち葉
鳥のふん
設置角度
冬の日陰
バッテリー残量
などを確認する場合があります。
さらに、軒下そのものへソーラーパネルを置くと直射日光を得にくくなることがあります。
前の記事で整理したように、ソーラーパネルはカメラとは別の日当たりの良い場所へ設置する方法もあります。
高所に付けるなら、
カメラだけでなく、パネルも今後触る可能性がある
ところまで考えます。
100V電源を新設するなら、高さとは別に電気工事の問題がある
2階軒下へ常時給電カメラを付けたい。
しかし近くにコンセントがない。
そこで、
「室内から電源を分岐して外へコンセントを作ろう」
という場合は、DIY可否を高さだけで考えてはいけません。
住宅などの一般用電気工作物について、電線の接続や配線設備を設置・変更する一定の電気工事には電気工事士資格が必要です。
既存コンセントへ製品のACアダプターを差すのとは違います。
そのため、
高所固定は自分でできそうでも、100V配線工事が必要なら電気工事部分は有資格者へ依頼する
という分け方になります。
逆に、
バッテリー式
ソーラー式
既存コンセント利用
なら、新たな100V配線工事を避けられる場合があります。
PoEなら100Vコンセントをカメラ横へ作らずに済む
高い位置へ常時給電したい場合はPoEも候補です。
PoE対応カメラなら、対応する機器からLANケーブル1本で通信と給電を行えます。
そのため、カメラ横へ100Vの屋外コンセントを新設しなくても構成できます。
ただし、
2階までLANケーブルを通す
外壁へ固定する
貫通部を防水する
といった施工が必要になる場合があります。
「コンセント工事がない=高所DIYが簡単」という意味ではありません。
高所へ常設するなら、電源・通信・防水・メンテナンスを一つの工事として考えた方がよいでしょう。
2階へ付ける意味が大きいのは「全体監視」
では、2階軒下が悪い設置場所なのでしょうか。
そうではありません。
高い場所が向いている目的もあります。
たとえば、
敷地全体を見たい
庭の奥まで確認したい
駐車場全体の車両移動を見たい
カメラを簡単に触られたくない
1台で広い範囲を把握したい
という目的です。
この場合は、高い位置から俯瞰するメリットがあります。
ただし、人物確認まで求めるなら、
高所カメラ=全体監視
低いカメラ=人物確認
と役割を分け、2台構成にする方法もあります。
「1台をものすごく高い位置へ付ければ全部解決する」と考えないことが重要です。
2階軒下でも、ベランダから安全に作業できるなら条件は変わる
同じ「2階の軒下」でも、作業条件は家によって違います。
たとえば、
2階ベランダ内部の壁
ベランダ床から手が届く軒
安定した作業床がある場所
なら、地面から長いはしごを立てて作業する場合とは危険度が違います。
反対に、
地面から伸ばしたはしごでしか届かない
軒の下で体を反らさないとネジが打てない
片手ではしごを持ちながらドリルを使う
傾斜地にしかはしごを置けない
なら、DIY向きとは言いにくくなります。
したがって、
地上何mか
だけではなく、
足元が安定した作業床なのか
を見ます。
業者へ頼んだ方がいい境界
次の条件が重なるほど、業者へ頼む意味が大きくなります。
地面から長いはしごでしか届かない
2階外壁・軒下で、作業床を確保できない場合です。
ドリルで穴あけ・アンカー固定が必要
高所で両手を使う作業時間が長くなります。
重いカメラ・大型ライト一体型を付ける
取り付け中も落下後も危険が大きくなります。
電源・LAN配線まで必要
固定だけでは終わらず、作業範囲が広がります。
複数台をまとめて設置する
脚立やはしごへ何度も上り下りするより、配線経路・画角までまとめて施工した方がよい場合があります。
設置後のメンテナンスも自分ではできない
最初の設置だけDIYしても、その後触れないなら長期運用に問題が残ります。
特に、
「怖いけれど、やればできそう」
という状態なら、費用節約だけを理由に高所DIYを選ばない方がよいでしょう。
業者へ頼むなら「2階に付けてください」ではなく、目的を伝える
業者へ依頼する場合も、
「ここへ付けてください」
だけで終わらせない方がよいでしょう。
伝えたいのは、
玄関へ来た人の顔を残したい
駐車場全体を見たい
車へ近づいた人物を確認したい
庭への侵入経路を見たい
といった撮影目的です。
すると、
2階軒下では高すぎる
1階軒下の方が人物確認に向く
2台に分けた方が死角が少ない
カーポート柱の方がよい
という提案になることがあります。
業者へ頼む意味は、高い場所へ安全に付けてもらうことだけではありません。
そもそも高い場所へ付ける必要があるのかを現地で判断してもらえること
にもあります。
DIYするなら「2階へ付ける」ではなく「DIYできる場所へ設計を変える」
DIYしたいなら、一番効果的なのは高所作業の技術を身につけることではありません。
高所へ上らなくても目的を満たせる構成へ変えることです。
たとえば、
2階軒下
↓
1階軒下へ下げる
外壁
↓
カーポート柱へ移す
常時給電
↓
バッテリー・ソーラー式へ変える
1台で全体監視
↓
低い位置に2台置く
という方法があります。
これなら、
設置
角度調整
充電
清掃
交換
まで自分で行いやすくなります。
防犯カメラは長く使う設備なので、設置時だけではなく「自分で維持できる高さ」に置くことにも価値があります。
まとめ|2階軒下へ上る前に「1階ではダメなのか」を確認する
2階の軒下に防犯カメラを付けたいからといって、必ず業者が必要というわけではありません。
ベランダなど安定した作業場所から安全に取り付けられ、電気工事も不要で、今後のメンテナンスにも無理なくアクセスできるなら、DIYできるケースがあります。
一方、
地面から長いはしごでしか届かない
高所でドリル・固定作業が必要
重いカメラを取り付ける
電源やLAN配線も必要
設置後に自分でアクセスできない
という場合は、業者へ頼む意味が大きくなります。
そして、その前に確認したいことがあります。
本当に2階軒下へ付ける必要があるのか。
家庭用防犯カメラには2〜3m程度を推奨する製品が多く、人物の顔を確認する目的なら、高くしすぎることが必ずしも有利ではありません。
1階軒下へ下げた方が、
人物が大きく映る
検知しやすい
DIYしやすい
メンテナンスしやすい
ということもあります。
だから、
DIYできるか → 業者へ頼むか
ではなく、
何を撮りたいか
→ そのために必要な高さはどこか
→ その高さへ安全にアクセスできるか
の順番で決めます。
2階へ上る必要自体をなくせるなら、それが最も簡単な高所作業対策です。
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出典
Anker Japan|eufyCam S3 Pro FAQ
この記事は、2026年9月時点のメーカー公式情報・ALSOK・厚生労働省・経済産業省の公表情報をもとに作成しています。推奨設置高さや取り付け方法は製品によって異なるため、購入する機種の最新マニュアルを確認してください。